AndroidのスマートフォンにはGoogle Play プロテクトというセキュリティソフトが標準で入っています。
そして、
「Google Play プロテクトが入っていれば、別途トレンドマイクロやマカフィー等のセキュリティソフトを入れる必要は無い?」
とも言われていますが、私はそうは思いません。
Google Play プロテクトでは無く他のセキュリティソフトを入れるべき!
と私は考えます。
なぜなら第三者機関のテストでは、Google Play プロテクトは他の一般的なセキュリティソフトよりマルウェアの「検出率」が低く、「誤検知」が多いと報告されているからです。
「AV-Comparatives」と「AV-TEST」という第三者機関のテスト結果から、Google Play プロテクトとその他の一般的なセキュリティソフトとではどれくらい検出率や誤検知率が異なるか?を見ていきましょう。
目次
AV-Comparativesのテスト結果
まず、オーストリアの第三者機関AV-Comparativesの「Mobile Security Review 2019」の結果を見ていきましょう。
このテストで比較されているセキュリティソフトは以下の11個。
出典:Mobile Security Review 2019
TrendMicro(トレンドマイクロ)やMcAfee(マカフィー)は聞いたことがある方も多いでしょう。
Kaspersky(カスペルスキー)やAvast(アバスト)なんかも知っている方がいらっしゃるかもしれませんね。
Google Play プロテクト(グーグル プレイ プロテクト)は上記図中の右上に記載があります。
そして、気になる結果は以下の通り。
出典:Mobile Security Review 2019
グレーの縦棒が検知率、オレンジの線が誤検知数です。
検知率はマルウェアをマルウェアと検知できた割合。
誤検知数はマルウェアでは無いものをマルウェアとして検知してしまった数。
そのため、グレーの棒(検知率)は100%に近いほうが良い結果、オレンジの線(誤検知数)は0に近いほうが良い結果と言えます。
検知率を見ると、ほとんどのセキュリティソフトは100%に近いですが、一番右のGoogle Play Protectは83.2%でした。
Google Play プロテクトはダントツに検知率が低いのですよね。
また、誤検知数もほとんどのセキュリティソフトは0に近いですが、Google Play Protectは28。
こちらもGoogle Play プロテクトはダントツで誤検知数が多いです。
AV-Comparativesの結果から、
「Android端末に標準で入っているGoogle Play Protectより、その他のセキュリティソフトを使用しているスマホの方がより安全である」
と言えるかと思います。
AV-TESTのテスト結果
次にドイツの第三者機関AV-TESTの「The best antivirus software for Android」を見ていきましょう。
2019年5月の調査では20社のセキュリティソフトがテストされています。
結果は以下の通り。(Protectionでソートしています)
出展:https://www.av-test.org/en/antivirus/mobile-devices/
Protectionは最高評価が6です。
ほとんどが5.5以上ですね。
一方、Google Play プロテクトは「Protection:0」。
また、AV-TESTの認証済みマーク(Certificated)は20社のうち唯一もらえていません。
そして、こちらのページでは、各ソフト名のリンクをクリックすると検出率等より詳細な結果を見ることができます。
例えば検出率をみると、トレンドマイクロ・マカフィー・ノートンは100%、カスペルスキーは99.9%、Google Play プロテクトは75.2%でした。
セキュリティソフトの検出率は少なくとも90%以上、95%以上も普通です。
その中で75%というのはあまりに低いなと感じます。
誤検知数を見ても、トレンドマイクロ・マカフィー・ノートン・カスペルスキーは0、Google Play プロテクトは1052。
Google Play Protectは誤検知数もかなり多いのです。
AV-Comparativesと同様にAV-TESTの結果でも、
「Android端末に標準で入っているGoogle Play Protectより、その他のセキュリティソフトを使用しているスマホの方がより安全である」
と言えると思います。
マルウェアに感染するとどうなるの?
そもそも「マルウェアって何?」「感染するとどうなるの?」と思っている方もいらっしゃるでしょう。
マルウェアとは、コンピュータウイルス(コンピュータの中身を書き換える)・スパイウェア(コンピュータの中身の情報を外部に送信する)・ランサムウェア(コンピュータの中身を暗号化して読めなくする)等を総称したものです。
マルウェアはアプリインストール・インターネット閲覧・メール受信・外部ディスク(USB)等から感染します。
「パソコンやスマホは持っているけど大したことしていないし、セキュリティソフトなんて要らないのでは…」
と思っていませんか??
その考えはNG!!
インターネットに1秒でも接続するなら、外部ディスク(USB等)を接続するなら、そのパソコンやスマホはマルウェアに感染するリスクがあります。
しかもマルウェアに感染すると、あなただけではなく、あなたの周りの方々にも被害を与えてしまう可能性があります。
マルウェアに感染すると以下のようなことが起こる可能性があります。
- あなたのパソコンやスマホの中の情報が変更される(使えなくなることも)
- あなたのパソコンやスマホの中の情報が暗号化され、暗号を解除するための身代金を要求される
- あなたのクレジットカード情報が盗み取られて不正使用される
- あなたの電話帳から家族や友人の情報を抜き取られて不正使用される
- あなたのメールアドレスを使って家族や友人へウィルスが仕込まれたサイトへ誘導するメールが送信される。(あたかもあなたが送信したかのように)
そして上記から分かる通り、
「あなたのスマホが危険にさらされている」
=「あなたの周りの方の情報も危険にさらされている」
ということにもなります。
メールとか使っていないし…という方も、電話はしますよね?LINEはしますよね?履歴も残っていますよね?
スマホはインターネットに接続して使うものです。
安全なスマホなどありませんよ!
でも、先ほどお伝えした通り、セキュリティソフトを導入していればほぼ100%検知してあなたのパソコンやスマホを守ってくれます。
現在セキュリティソフトを入れていないという方はすぐに入れましょう!
セキュリティソフトを入れる方法
以下の2つの方法があります。
- 携帯電話会社のセキュリティオプションに加入する
- ご自身でセキュリティソフトを購入する
携帯電話会社のセキュリティオプションに加入する
大手キャリアでも格安SIMでも、ほとんどの携帯電話会社でセキュリティオプションが用意されています。
月数百円で導入できるため、今オプションに加入していない方はぜひ加入をオススメします。
各社のオプションで導入できるセキュリティソフト(会社)を調べてみたところ以下の通り。(2019年8月確認時点)
携帯電話会社 | オプション名 | セキュリティ会社 | 月額料金 |
ドコモ | あんしんセキュリティ | マカフィー | 200円 |
au | ウイルスバスター™ for au | トレンドマイクロ | 372円 |
ソフトバンク | スマートセキュリティ powered by McAfee® | マカフィー | 300円 |
ワイモバイル | スマートセキュリティ for Android™ powered by Norton™ | ノートン | 300円 |
UQモバイル | ウイルスバスター モバイル for UQ mobile | トレンドマイクロ | 290円 |
LINEモバイル | ウイルスバスターオプション | トレンドマイクロ | 420円 (3台までOK) |
mineo | ウイルスバスターモバイル | トレンドマイクロ | 270円 |
IIJ mio | ウイルスバスター モバイル 月額版 マカフィー モバイル セキュリティ | トレンドマイクロ マカフィー | 250円 250円 |
楽天モバイル | マカフィー® モバイル セキュリティ Android版 | マカフィー | 300円 |
BIGLOBEモバイル | セキュリティセット・プレミアム | マカフィー | 380円 (3台までOK) |
OCNモバイルONE | マイセキュア トレンドマイクロ/ノートン/マカフィー等もあり | 独自? トレンドマイクロ/ノートン/マカフィー等もあり | 250円 429円~ |
DMMモバイル | SecureAnywhere™モバイル プレミア | ウェブルート | 250円 |
ほとんどの会社が、トレンドマイクロ・マカフィー・ノートンのいずれかですね。
これらの会社はAV-TEST(2019年5月)のテストでは全て検出率100%。
どれを使用しても問題ないかと思います。
また、1契約で複数台(パソコンやタブレット含む)に使えるものもありました。
また、オプションに加入するだけではセキュリティソフトを入れたことにはなりません。
各社インストールや設定の手順が用意されていますので、そちらに従ってセキュリティソフトを導入しましょう!
ご自身でセキュリティソフトを購入する
携帯電話会社のセキュリティオプションではなく、ご自身でセキュリティソフトを購入してインストールしてもOK。
トレンドマイクロ・マカフィー・ノートンあたりは各携帯電話会社のオプションとしても取り扱われていますがご自身でも購入可。
ただしご自身で購入してインストールする場合、その携帯電話会社に問い合わせすることはできないでしょう。
購入したセキュリティソフトの会社に問い合わせすることになるためご注意ください。(とはいえ問い合わせすることはほぼ無いと思いますけどね!)
ご自身で購入する場合、3年間有効&パソコンやスマホ等3台使えるもので1万円前後。
1台あたり月額に換算すると、
10,000円÷36ヶ月÷3台=93円
携帯電話会社のオプションで入るよりかなりお安いですね。
個人的にはカスペルスキーも世界的に有名かつ検出率も高いのオススメ。(あ、ちなみに私はセキュリティエンジニアをしています。)
実家の親(70代)が使っているPCとスマホのセキュリティソフトもカスペルスキーです。
カスペルスキーだと3年5台版で8,000円弱で購入できることもあります。ぜひ検討してみてください。
また、自身で購入する場合「ダウンロード版」と「CD-ROM版」がありますが違いはCD-ROMが手元にあるかどうか。
特にスマホだとCD-ROMからインストールはできませんので結局ダウンロードすることになります。
手元にCD-ROMを置いておきたい方以外はダウンロード版で良いと思います!
まとめ
Androidのスマートフォンには標準でGoogle Play プロテクトというセキュリティソフトが入っています。
それが入っていれば十分とお考えになる方もいるようですが、私は他の一般的なセキュリティソフトを使用することをオススメします。
理由は、Google Play プロテクトの「検出率の低さ」「誤検知数の多さ」です。
各携帯電話会社ではセキュリティオプションが用意されているため、そういったオプションを利用するのが手軽でオススメ。
ほとんどの会社が、トレンドマイクロ・マカフィー・ノートンのセキュリティソフトをオプションとして採用しています。
どの会社も第三者機関のテストで100%近く検出することが多いため安心です。
また、ご自身でセキュリティソフトを購入してインストールしてもOK。
3年3台版10,000円前後で販売されています。(もっとお安いのももちろんあります!)
ご自身で購入する場合も、トレンドマイクロ・マカフィー・ノートンあたりを選んでおけば間違いありません。
個人的にはカスペルスキーも世界的に有名で検知率も高くお安いのでオススメです。
というわけでAndroidスマホをお使いのみなさん!
「あなたのスマホが危険にさらされている」
=「あなたの周りの方の情報も危険にさらされている」
ということです!
今すぐセキュリティソフトを導入しましょう!